2008.12.31.(水)      それでも何とか年の暮れ

「…はぁやれやれ。年末のお掃除地獄もとりあえず一段落、ボクもやっと掃除機の音から解放されてのんびりできるでち(<…とコタツの脇に寝そべって大あくびなどしている案内人)」
「おやまぁ、アンタまたそこで転がってたの? 好きだねぇ、そのコタツ布団(<そこへ昼食後の洗い物を済ませて戻ってきた管理人)」
「だってママ〜vv このお布団は毛足もふかふかで肌触りも最高だち、おまけにサイズも大きいからおこた周りの畳の上までたっぷりカバーできるんでちもん。この上でゆったりお昼寝しゅることこしょ、ボクの密やかな冬の楽ちみってモノでちよ♪ …にちても今年は、こうちていつものお布団の上で気持ちよくお昼寝できるだけでも感謝ちなきゃいけまちぇんねぇ」
「…そうだねぇ。何つってもこの秋口以降、日本ばかりか世界全体がとんでもないことになっちゃったし、こうして住む家があって食いつないでいけるだけでもありがたいよ。とはいえウチも…せっかくのお正月控えてこんなことは言いたくないけど、この先一体どうなっちゃうんだろ」
「大丈夫でちよ! 何てったってウチにはもったいないお化けの権化、『超』がつくほどシミッタレでドケチのママがいるんでちもん、100年に一度の大不況がこようがどうちようがびくともしゅるもんじゃないでち!」
「…おいお前、それって褒めてるんだかけなしてるんだかどっちなんだよ! 言うに事欠いて『超がつくほどシミッタレでドケチ』たぁ、飼い主に対してよくもヌカしてくれたなワン公!!」
「だって少なくとも『もったいないお化けの権化』には違いないでしょ? …特に食べ物に関ちては賞味期限や消費期限なんか完全無視、よっぽどへんな味とかニオイがちない限り何でも食べちゃうじゃありまちぇんか。確かこの前ハンバーグ作るときに使ったパン粉の消費期限は去年の今頃でちたねぇ…しょの前のホワイトシチューに入れたビーフブイヨンも去年の夏に期限切れだったち、しょうしょう、賞味期限が一週間過ぎた卵で焼いたあの特大オムレツ丸ごと平らげたときもケロリンパッパの平気な顔ちてたち…」
「コラこの駄犬! 黙って聞いてりゃ家庭内極秘事情をぺらぺら喋りまくりやがって、読者の皆様方に変な誤解されちまったらどーすんだよっ! アタシだって、その前に買ったパン粉にカビが生えちまったときにはちゃんと消費期限前に捨てたし、これでも食品の安全性にはしっかり気ィ遣っとるわいっ!」
「…おや、しょうでちたかねぇ。だけどママのドケチっぷりは別に食べ物に限ったことじゃないでしょうに。古くなったお洋服だって、やれ『捨てるのはもったいない』だの『またいつか着る機会があるかもちれない』だの理屈つけてタンスに溜め込みっぱなち、今年とうとうタンスが爆発ちそうになって仕方なく整理ちてみればどれもこれも染みや変色だらけでまともに着られるのは一割もなかったじゃありまちぇんか」
「いや、だからそれはっ」
「中でも極めつけだったのははるか昔の学生時代、今は亡きお祖父ちゃん…ママのお父しゃんに買ってもらったブランド物のコートでちたねぇ。袖口が擦り切れて袖丈を詰めてもらうこと二回、とうとう三回目には『これ以上短くすることはできません』ってお店の人に断られたくせに、しょの後も三年ばかりぐじゅぐじゅ思い悩んでたじゃない。で、ついに決心ちて新ちいの買いに行ったら店員しゃんに『二十年もご愛用下さいまちてどうもありがとうございました』って最敬礼されちゃったんでしょ? …いやぁ、シミッタレもしょこまでいけばホント立派でち。感心しちゃうでちよ」
「うう…」
「だけど立派といえばしょの店員しゃんも偉いでちよね。いくらブランド物のコートとはいえ五十万、百万しゅるわけじゃなち…いや、もち仮にしょんな超高級品を買ったにちたって次に来るのが二十年後じゃお店に取っちゃ最低の客、営業活動の天敵でちもんねぇ。しょれなのにきちんと最敬礼ちてくれたなんてまさに店員しゃんの鑑、天晴れと言う他ないでち」
「…(<管理人、もはや完全に沈黙<笑)」
「あれ? どうちちゃったのママ? あんね、ボクはこれでも褒めてるつもりなんでちよ。この大量消費の時代にしょこまでみみっちい経済観念を持ってる人間なんて、しょれだけで天然記念物、国宝モンでち。この先どんな時代になろうともしょのセコさがあれば絶対大丈夫でちから、どうじょ自信を持ってちょうだいな」
「ホント…? ホントにそう思う? 大丈夫?(<管理人、いつしか涙目になって案内人にすがりつきっ)」
「はいでち。だから気を取り直ちて、来るべき2009年も大いに頑張っていきましょうね、ママ♪」



 …そしてまた 犬に丸め込まれて 年の暮れ(字余り)   りーみん



 …以上、毎度バカバカしい人と犬との年越し漫才はともかくとして。
 皆様、本年も弊サイトを可愛がって下さいましてどうもありがとうございました。管理人&案内人、心より御礼申し上げます(人、犬揃って深々と平伏っ)。
 どうか皆様にとっての2009年がよりよき年になりますように。そして願わくばこれからも相変わりませずよろしくご贔屓下さいませ…。



2008.12.25.(木)      お誕生日と消えた指紋

 うわぁぁぁぁ…またまたえらいこと長く日記を空けて、つーよりサイト自体をすっかり放ったらかしてしまいまして申し訳ありませんでしたっ! …なんて管理人が地面に額こすりつけて土下座している間にも、今年もやってきましたこの季節! 巷にはどこに行ってもジングルベルがエンドレスで流れまくり、夜ともなればあっちゃこっちゃの名所旧跡やら並木やらはたまた一般住宅でさえ一体いくら金かかってんだか想像しただけで気が遠くなるようなイルミネーションに彩られ、大人も子供も何となく心浮き立つ今日の佳き日といえばそのものずばり、ジェロニモ様のお誕生日〜♪(クリスマス? 何ソレ<コラコラコラッ!)
 昨年はよりにもよってそのお祝いをきれいさっぱり忘れてたなどというとんでもないご無礼を働いた管理人でございましたが、その分今年は腕ならぬ声によりかけて盛大に叫ばせていただきます!!

 ジェロニモ様! お誕生日おめでとうございますぅぅぅ〜っ!! 遥かなる太古より様々な命を育んできた大地の知恵をその身に秘めた穏やかな褐色の巨人、精霊の声を聞く賢者様! 願わくばどうか末永く世の人々をその叡智でお導き下さいませぇぇぇぇぇ〜っ!!



 …と、喜びの雄叫びを上げたはいいがその反面、そろそろ年の瀬のどん詰まりの今日この頃といえば誰も彼もが目の回るほど忙しい時期であるというのもまた真実で。先日来掲示板やらチャットルームやらでちらほらぼやいておりましたとおり、万年ゴクツブシの人間のクズたる管理人でさえ生意気に「年末モード」に突入、何やかやと雑務に追われてついつい更新が滞っちゃったわけですが(すみません…<再び土下座っ)。
 もっともそんな雑務だってそうそう大変なばかりじゃない。例えば年賀状用のイラスト描きなんか、いいですね〜♪ …いやほら、最近すっかり字書きに徹してるとはいえ昔は結構イラストとかマンガとかも描いてたオバサンのこととて、たとい年賀状だろうが暑中見舞いだろうが、お絵描きともなるとついつい無闇やたらかつ無意味に燃え上がり、昼だろうが夜だろうが関係なし熱中しちゃったりして結構楽しかったんだけど。

 困ったことに、いくら楽しい作業の中にも「人に言えぬ苦労」の一つくらいはやはりあるわけで…もちろん「お絵描き」とて例外ではない。

 絵描き、特にアナログ絵描きの皆様方には今更言わずもがなのことかもしれんが、絵を描くときに最もオソロシイのは紙に余計な汚れがついちまうことである。だから作品製作中の絵描きは誰でも、プロアマ問わずこの件に関しては細心の注意を払うわけだが、その際意外に見落としやすいのが己が手についた「油分」だったりするのだった。
 手づかみでスペアリブしこたま食ったとか天麩羅揚げたばっかりの鍋をゴム手袋なしで洗ったとか化粧落としにクレンジングオイルを素手で顔中に塗ったくったとかの理由はどうでも、そしてその後きっちり石鹸で手を洗ったとしても。万が一洗い残しがあったりしてうっかり製作中の作品に油がついちゃった、なんてことになったら絵描きにとってはまさに最悪、大悲劇以外の何物でもない。
 何しろ一度紙に油がついたが最後、その上にはどんな画材もまるっきし乗らなくなっちまうのだ。
鉛筆木炭インク墨透明水彩ポスターカラー全部ダメ、もちろん紙の方とて画用紙木炭紙ケント紙模造紙和紙ボール紙ちり紙、どれをとってもちょっとでも油がくっついたらもうおしまいである(もっともこれが油絵具やキャンバスだったらまた別なんだろーケド、現在水彩画専門の管理人にとってはそんなの何の慰めにもならない)。
 …で、さらに困ったことにはこの「油分」の中には人間の皮膚そのものから分泌されている「皮脂」もしっかり含まれてたりなんかして。

 いや、昔某美術系予備校に通っていた頃なんかさー、脂性肌とか手に汗をかきやすい体質の友達はそりゃぁ苦労してましたよ。それも日本画科とかデザイン科志望で水彩系の画材しか扱わないクラスだったりするとさ、製作中30分に一度は石鹸で手ェ洗いに行ったりお風呂に入れば軽石で足の踵ならぬ手の指先ごしごしこすりまくったりと、みんな涙ぐましい努力をしていたモンでございます。幸か不幸か当時から管理人は自他共に認める乾燥肌だったからしてその手の苦労はせずに済んだものの、たといサハラ砂漠かゴビ砂漠のごとき肌の持ち主とはいえ、やっぱ絵を描くときにはかなり油に対して神経質になっちまうことには変わりなく…。

 早い話がこの12月に入ってからの管理人ってば、イラスト描きのためにハンドクリームだのローションだのの類一切を自粛してたわけですわ。ええ、水仕事の後もトイレで手を洗った後もお風呂の後もそのまま放ったらかしです。おかげさまで現在管理人の両手は見事サハラ砂漠もゴビ砂漠も通り越して月の砂漠、いえいえ月面クレーターそのものにまで到達致しましたvv 左右どっちもきれいに粉が噴き、セーターやストッキングこすればざりざり音がするし指紋なんざ両手の指十本丸ごと完全に消えちまってやんの。でも楽しかったからいいや〜♪ …って、ちょっと待てよ?(とじっと手を見る<笑)
 う〜ん、やっぱ右も左も完璧に指紋が消えてるわ。つーことは世界同時不況のあおりを食らって家計も何かと苦しい今日この頃、派手に一発どっかの大銀行でも襲うんなら今しかないってかぁぁぁぁ!?(何だその嬉しげな表情はっ!>自分)



 ちょっと待ってちょうだいっ! あんねママ! どんなに手が荒れたって人間しゃんの指紋なんかしょう簡単に消えるわけじゃなち、しょれはただ単にお肌が乾いて見えにくくなっただけでち! あぁもう、なのに毎度のことながらどうちてしょう簡単に犯罪に走ろうとしゅるかなぁ…。ちょっとはいい年こいた人間とちての思慮とか分別とかをわきまえてちょうだいよっ!(…などとぶつぶつ文句をたれつつ何故か目出し帽とサングラスとモデルガン、所謂「銀行強盗三点セット」をどこからかくわえてきてそっと飼い主の前に置く案内人<大笑)



2008.11.17.(月)      経験者は語る

※ すみません…またまた一か月以上日記空けちゃいました(土下座っ!)。しかも今回はほんのかすり傷とはいえ、結構詳しい傷口の描写が出てきます。その手の話が苦手な方は、畏れ入りますがここでブラウザを閉じて下さいますようお願い申し上げます。



 この間、ちょいと某デパート内の書籍売場を覗いたときのこと。売場の入口脇にかなり大きな、何かのマンガキャラと思しきパネルが飾ってあった。今流行りのミニスカ制服をお召しになった中々の美少女が片膝をつき、木刀握った右手の上からハチマキとかホータイみたいな細長い布をぐるぐる巻いた端を口にくわえてきっとこちらを睨みつけてるという、見る人が見ればかなり「萌え〜vv」な構図。
 残念ながら管理人にはそのマンガにもキャラにもさっぱり見覚えがなかったのだが、木刀握った手の上に布ぐるぐる…てな状況には、そこはかとない懐かしさっちゅーか既視感を覚えたりして。
 だってこーゆー場面って、過去ン十年あちこちのマンガでお馴染みなんですもの♪ 特に時代モノとかファンタジーモノとか、登場人物が刀剣系の武器持って戦う作品だと、大抵誰か一人は刀を布だかヒモだかで手にくくりつけるヤツが出てくる。そうそう、スポ根モノでもたまに見るわね(…といってもこの場合、くくりつけるのは刀じゃなくてラケットとか竹刀とかになるんだけど)。まぁ、要はそれだけ劇的かつ絵になる行為なんでしょお、武器やら道具やらを手にくくりつけて敵とかライバルに立ち向かっていくてぇのは。

 しかし管理人としてはここで声を大にして主張したい。すなわち「これねぇ、あくまで『劇的で絵になる』だけだからっ!! 実際にこんなことやっても、全然戦闘(もしくは試合あるいは練習)の役になんか立たないからっ!!」…このことである(「鬼平犯○帳」ふう<笑)。
 何故かってーと、昔オバサン自身がコレやってえれー目に遭ったことがあるからだよ悪いかコラ(いや、だからこんなところで読者の皆様方にケンカなんざふっかけるなとっ>自分)!

 …過去の日記または「真澄鏡」所収のマンガ等でも触れたとおり、中学高校時代の管理人は軟式テニス部に所属していたので、手にマメができたりつぶれたりなんてのは日常茶飯事であり、かすり傷のうちにも入らなかった(※以下、傷口の詳細描写注意)
 だってさ〜、マメなんて一度つぶれちゃえば別にどーってことないじゃん。とにもかくにも中にたまったリンパ液…ちゅーか水(<たまに血が混じってることもあるが)さえ抜けりゃ、後はしぼんだ表面の皮(表皮)が内部の皮(真皮)にぴったりくっつき元通り、なんてこともよくあったし。…多分それって、マメの中にちょっぴり残った水や血が接着剤みたいな働きをしてくれてたからなんだろね。そーいやマメがつぶれた後って、手のひらがえらいことべとべとしてたっけ(だが当時のテニス少女はそんなことでいちいち手を洗いに行ったりなんざしない。体操着かトレパンにごしごしこすりつけりゃそれで終わりである<蛇足ながら管理人の母校は正真正銘の女子校♪)。

 しかしながらそんなマメがさらに進化してタコになった後だったりすると、つぶれるというよりそのものずばりべろんと皮がむけちまうのでかなり始末が悪い。しかもタコの中には接着剤たる水だの血だのはこれっぽっちもたまってないから、むけちゃった皮を元通りにくっつけるなんてどんなに頑張ってもまず不可能。結果、表皮の下の真皮がむき出しになった状態でラケットを握り、ボールを打たなきゃいけないわけで…こりゃマジ痛いどころの騒ぎじゃない。
 「だったらバ○ドエイドか何か貼っとけよ」とおっしゃる方々もさぞ多かろうが、ああいうのって意外と耐久性が低くてね、十分もボール打ってりゃボロボロにちぎれて原型なんざ留めなくなっちゃうのよ。それじゃぁってんで医療用ホワイトテープの超強力なヤツ(確か、厚さと接着力がビニール製ガムテープくらいあったな〜。もちろん、保護ガーゼなし)を二重、三重に巻いてみたこともあったけど、今度はちぎれなかったかわりに滅茶苦茶ねじれまくりのヨレまくり、二十分で傷口がむき出しになっちゃったという…つまり、一度タコがむけたらどんな手当てをしてもムダなのね、ムダ。

 もっともタコってヤツはかなり頑丈だから、そう滅多にむけたりなんかはしない。しかしある日あるときあるきっかけで、当時高一だった管理人は久々にこの痛い目を見てしまったのだった。薬指の付け根にできてた大ダコがまぁ、ものの見事かつ盛大にむけちゃいやがりましてねぇ。何せ傷口の直径一センチ弱つーたら当時の管理人にとっても新記録、さすがにラケット握るだけでかなりキビシイ。
 …で、思いついたのが例のくくりつけ作戦。いかなオバサンとて高一といえばまだまだ「頭に虫がわいてる」思春期真っ只中、その上自他共に認めるマンガバカでいろんなマンガにかなりかぶれてたし、迷うことなく頭に巻いてたハチマキほどいてラケット握った右手の上からぎゅうぎゅうに巻きつけましたさ。
 したらなるほど、痛みに負けてラケット落っことしたりすっ飛ばしたりすることもないし、打球面も安定するしでこりゃええわ、みたいな(もっとも痛いのはそのまんまだったけど、ンなこといちいち気にしてたらン十年前のテニス少女は務まらない<笑)。

 しかしそれも最初のうちだけ、やがて管理人は思いがけない落とし穴に気づいたのだった…。

 テニスの場合、ボールの打ち合い(ラリー)をしばらく続けていると、どうしてもグリップが多少ずれてくるのはお約束。だからそういうときには皆、ラケット持つ手をほんの少し緩めて微調整…ってか握り直しをするんだけど(<中にはそれが高じてボール待ってる間中ラケットをくるくる回すクセがついちゃったヤツもいる)、ハチマキで手から指からしっかり固定しちゃった後では、その微調整がまるっきしできないっ!!!
 でもって、うわこりゃヤバイと左手で力任せにラケット回せばグリップ部分の凸凹が傷口こすってボール打つとき以上に痛てーわ、おまけにラケット自体も必要以上に回っちまうわで、終いにゃ自分がどーゆー持ち方してるんだかもわかんなくなっちゃう始末。…と、いうことは。

 あのー…。もしかして時代モノとかファンタジーモノなんかの主人公さんたちも、一度手にくくりつけた刀とか剣とかの握りがズレちゃったりしたら、直すに直せずヒッジョーに不本意な戦い方をするしかないんじゃないでしょうか…。刀の場合、相手を殺したくなくて峰打ちで戦っていたはずなのにいつのまにやら180度回転してた刃の方で叩っ切っちゃったとか、幅広の剣の場合、はっと気がつきゃ90度ズレてた剣の側面部分で相手をびったんびったんひっぱたくことしかできなくなっちゃったとか。

 さらに加えてもう一つ、やっぱただのハチマキ巻きつけて縛っただけじゃいつかは弛む(多分他の布きれやヒモでも同じことであろう)。ずるずるぶかぶか、結局何の役にも立たなくなるまでの所要時間およそ十五分。よーするに、バンドエイ○よりゃマシだけど医療用超強力ホワイトテープには負けてるってこったわな(遠い目)。ま、これが超強力ゴムバンドか何かなら、伸縮性がある分かなりの時間保つんじゃないかってぇ気もしないではないけど。



 えー、もしこの推論を己が身で証明しようという奇特な大人及び少年少女、あるいはマンガの主人公の皆様方がいらっしゃいましたら是非一度、自転車のタイヤチューブその他でお手持ちのエモノ(ラケットでも木刀でも真剣でも)を利き手にくくりつけてみて下さい。
 ただし、人がここまでかつての痛い体験を語っているちゅーのにわざわざンなことやらかそうとするヤツはそれだけで立派なバカ、挑戦の結果いかに深刻な事故やら問題やらが発生しようとも管理人は一切責任なんぞ取る気はございませんので悪しからず♪



2008.10.10.(金)      近所のおじさん

 先日の夕方、案内人の散歩が終わって家の門を入ったときのこと。突然どこからかわんこの鳴き声が聞こえてきた。そのドスの効いた低音は間違いなく大型犬のものだったが、よく耳をすませばそこはかとない幼さ、子供っぽい響きが混じってる。…てぇこたぁ多分、今年の春頃管理人&案内人ちのすぐご近所にやってきたラブラドール・レトリバーの仔犬、Bちゃんの声であろう。真っ黒つやつやの毛皮を持つBちゃんは、縦横すでに案内人の五割増しを超える体格なのだがまだまだ生後半年ちょいの赤ちゃん、一緒に住んでるフラットコーテッドレトリバーの女の子、Oちゃんにべったりの甘えん坊さんである(ちなみにOちゃんも真っ黒つやつや毛皮の持ち主なので一見実の親子に見えるが、この二匹の間に血縁関係は一切ない)。でもってBちゃん、Oちゃんもちょうどこの時刻にお散歩することが多いため、「お姉ちゃんとお散歩〜♪」とすっかり舞い上がったBちゃんがうきうきわんわん吠えまくるのは日常茶飯事、ちっとも珍しいことではないのだった。
 故にいつもなら「Bちゃんまた吠えてるね〜。これからお散歩なのかな〜?」と声をかける飼い主に「しょうでちね♪」とでも言いたげな視線を返し、にっこり微笑み合ってそのまま門から玄関へと直行する案内人が、そのときばかりはびくとも動かない。とうに閉めてしまった門扉にふんふんと鼻っ面を押しつけ、何とも気遣わしげにOちゃん&Bちゃん宅の方を窺ってばかりいる。「おっかしいな〜」と首をかしげた飼い主、しかし数分後には件の鳴き声もふっつり途絶えて案内人もようやく気が済んだのか、いまだどことなく後ろ髪引かれる風情ながらも玄関、家の中へ入ってくれたのでそれ以上深く考えることもしなかったんだけんども。

 翌日、たまたまOちゃんとBちゃんのお散歩に出くわした実母が何の気なしにこの話をしたところ、二匹の飼い主さんが「え…それ、何時頃ですか?」と聞き返してきたという。…で、飼い主同士でより詳しくそのときの事情を話し合ってみれば。
 何でもそのときのBちゃん、テーブルに置いてあった晩御飯のギョーザをこっそり食べちゃって、飼い主さんにそれはそれは厳しく叱られたんだそうな。しかもようやくお説教が終わって「もういいよ」と言われた途端、脇目もふらずにテーブルに突進して再度ぱくり。こうなっては飼い主さんもある程度厳しい処置を取るしかなく、「そんな悪い子はお家から出て行きなさい!!」と、家からお庭に放り出したんだと。…そう、あのとき管理人&案内人が聞いたのはまさしくBちゃんの「鳴き声」ならぬ「泣き声」、「ごめんなさぁ〜い。もうしないよぉ〜。ちゃんといい子にするからお家に入れてちょうだいよぉ〜」と涙ながらに訴えている声だったのだ。
「いえ、もちろんほんの5分か10分のことだったんですけどね、その間Oが必死になってとりなして…私どもの足をそっとひっかいたり、ひっくり返ってお腹を見せたり、全身で『もう勘弁してやって』って頼むんですよ。とうとう、飼い主の方が根負けしました」
 そう言って笑っていた飼い主さんが、最後にぽつりとおっしゃった一言。
Oだけかと思ってたらパピちゃんまでBのことを心配してくれてたんですね。ありがとうございました。どうかくれぐれも『心配かけてごめんなさい』ってお伝え下さい」

 その伝言が即刻案内人に伝えられたことは言うまでもない。もっともヤツは大あくびして寝っ転がってるだけだったが、管理人の方はこの話にミョーに感じ入ってしまったのだった。
(成程ねぇ…OちゃんがBちゃんの「育てのお母さん兼お姉さん」だとしたらコイツはさしずめ「近所のおじさん」ってトコか…)
 そうは言ってもこの「おじさん」、普段は自分よりガタイもでかけりゃ力も強いBちゃんから逃げ回ってばかりで頼りないことこの上ないのだが、それでもやはり「地域の大人」として、Bちゃんが泣いている声を放っておけなかったのだとすれば、結構いいトコあるじゃんか。

 さてその次の日。同じく夕方の散歩を終えて家に入ろうとしていた案内人&管理人の耳に、またしてもBちゃんの声が聞こえてきた。しかし今回は管理人にさえはっきりとわかる嬉しげな歓声、おそらく今夜のBちゃんは大好きなOお姉ちゃんとのお散歩にはしゃぎまくっていると見える。
 しかしそのときの案内人はBちゃんの声など完全無視、「もう俺の散歩は終わったんだよ、さっさと門開けて家に入れんかいっ」と上目遣いで飼い主を睨みつけるばかり。

「他所様のガキなんざ、泣いてるときに気にかけてやりゃァそれで充分なんだよっ! 元気に機嫌よく過ごしてる分にゃ、傍から余計な口挟んだりしねェで親に任せとくのがスジってモンじゃねーか」

 どうやらこれが、案内人の「近所のおじさん」としての主義主張であるらしい。

 何だか管理人、そんな案内人が昨今の人間の大人どもよりもよっぽど道理と分をわきまえた人格者(犬格者?)に見えてきちゃったんですけど…これってやっぱ、アタシが人間失格の性格破綻者だからでしょーかねェ…。




最近のおじさん 26KB

 そんじょそこらの人間どもよりよっぽど立派な「近所のおじさん」ご近影。先週シャンプーに行ったら生まれて初めて両耳にリボンなんぞつけてもらい、今じゃすっかり「近所のお嬢さん」になってます…(お前ワン公でホントによかったな〜。もしコレが人間だったら鉄板で変態扱いされとるぞ@飼い主>案内人)。



2008.09.19.(火)      秋来ぬと…

 9月の声を聞いても全っ然衰える気配を見せやがらなかった残暑もようやく一段落、朝夕はもちろん昼日中でさえ、吹く風の感触がどことなく違ってきたよう気がしてついつい「秋きぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にも おどろかれぬる(古今和歌集 藤原敏行)」などという一首を思い出してしまう今日この頃…といえば忘れちゃいけないのが本日9月19日!!

 アルベルト様!! お誕生日おめでとうございますぅぅぅ〜っ!!!

 銀の髪、薄氷色の瞳を持つ麗しき死神様にはまさにお似合いとはいえ、正直油断できないのがこの季節。実際去年なんぞはまだまだ残暑が厳しくて、管理人も案内人もゼェゼェ舌出してへばってたモンね〜。だけど幸い今年はそのようなこともなく、さながらアル様ご本人を思い起こさせるがごとき涼風に吹かれつつのお祝い…ともなりゃめでたさも倍増するってモンでございます!!

 …ってねぇ、マジあたしゃ今日の日記はこう書くつもりでいたんだよ、数日前まではっ!
 
 なのにどーして今日という日に涼風じゃなくて台風が来ちまうんだコンチクショウッ!!!(号泣)

 とは言いつつも真面目な話、先程観たニュースではこの台風13号、これまでの間にも九州・沖縄、四国から東海その他の各地方にかけて床上・床下浸水などの被害をもたらし、今後は関東・伊豆諸島方面に最接近するらしいとか。もっとも明日昼頃には東の海上に抜ける見通しとはいえ、該当地域の皆様方、どうかくれぐれもお気をつけ下さいませ…。



2008.09.09.(火)      今年は結構自業自得

 前回の日記でも予告致しましたとおり、去る8/22〜23にかけてまたまた行ってきました「第六次山梨墓参りツアーオプション犬つきプラン」!! 今年はあの「シャブ並に効く」眠眠○破(そーゆー修飾語はやめんか今にメーカーに訴えられるぞ>自分)のおかげで運転中睡魔に襲われることもなく、まことに安全かつ爽快に中央道をぶっ飛ばしてきたんですけんども。

 しかしながら去年と一昨年、二年連続でやらかしてしまった「犬を飼う者として許されざる大失態」、こればっかりはもう二度と繰り返すわけには参りません。かくて今年こそ案内人に何不自由ない快適な旅行をさせてやるべく気合入れて犬の旅支度を整えた結果、主食のドライフードよし、ベッドよし、エサ&水入れよし、おやつやおもちゃも全部よしっ! そしてもちろん車に乗せる際のリードのはみ出しにも万全の注意を払い、三年ぶりに飼い主としての責任完璧に果たすことができたのでした。
 けれど飼い主がいかに周到な準備をしようとも車の乗り降りに気をつけようとも、慣れ親しんだ我が家以外の場所には決して馴染まない、しかもお泊りなんぞしようものなら緊張と不安でたちまち食欲不振に陥るという案内人の神経質な性格自体は変わらないわけで…。
 せっかく持ってったドライフード、今年も一口も食わねぇんでやんのコイツ…(あ、もちろんおやつのジャーキー類はそれなりに食ってましたケド)。

 …そーだよねぇ、アンタってそーゆーヤツだったんだよぇ…うんそりゃね、8年もつき合ってりゃアタシだっていー加減わかってるから別にいーけどさ…(<すでに犬に言う台詞じゃねぇ<笑…いながら号泣)。

 そんでも去年みたいに脛に傷持つ身にならなかっただけはるかにマシ、あー今年こそ何の気がかりもなく存分にリラックスすることができるっvv …とか何とかほっと一息ついた矢先。

 …管理人、犬の旅支度にばっか夢中になって、今年は自分の上着を忘れてきました…(慟哭)。

 でもね、言い訳かもしれないけど荷物の中に上着入れなかったのは半分わざとでもあったのよ、これが。元々旅行にあれやこれやと余計な荷物を持っていくのが大っ嫌いな管理人、わずか一泊二日の小旅行なら基本的には洗面・化粧道具とバスタオル、寝間着と着替えの下着がありゃ充分事足りる。何しろ朝九時に家を出て翌日の夕方には帰って来るんだ、お風呂に入ったとしてもわざわざシャンプーなんざする必要ないし(<元々乾燥肌でもあるオバサンは、毎日シャンプーするとかえってフケが出ちまったりする)、下着はともかくその上の洋服なんざ、洗濯したてのモンだったら二日間(<正確には一日半以下か?)くらい続けて着たってどーってことないでしょーに…という、ある意味女にあるまじき大雑把な性格ゆえ、寝間着や下着以外に持ってった(=着てった)服は半袖のサマーニットとクロップドデニム、そんだけ。そりゃね、いつもお世話になってる犬連れOKのペンションは八ヶ岳、朝夕の冷え込みは東京よりもさぞきつかろうとは思いましたよ。でもその反面高原の陽射しってのもまた東京よりかなり強力なはずだし、昼間はとりあえずそれでいっかな〜、と。加えてチェックイン後は特に外出する予定もなし、夜になって冷えたら冷えたで酒飲んでそのまま寝ちゃえば済むこと、だったら上着はいらないじゃん…なんて考えたわけだが、返す返すもその予測が甘かった…!

 そんでも東京出るときと、山梨での墓参り中は何の問題もなかったんですけんどもね。出発時点の東京は曇りがちとはいえ結構蒸し暑く、その上時には8月の陽射しが思いっきし照りつけてくれやがったりしたおかげで半袖サマーセーターでも暑いくらいだったし、山梨到着後はさすが都会とは一味違う高原の直射日光を存分に堪能させていただくことができましたし。
 なのにその途中で休憩取ろうと立ち寄ったS.A.及び宿泊先のペンション周辺はというと、何故か知らんが雲は厚いわ陽射しはないわ、霧まで出てきた挙句の果てにかすかな雨まで混じってきやがるという最悪の天気。特にペンション着いて車から降りた瞬間の気温が毎年夏の過剰冷房で悪名高い都内某鉄道会社の電車並みに冷え込んでたって一体どーゆーことっ!? いくら標高の高い山の上とはいえどもまだ8月下旬の昼下がり、夕方と呼ぶにもちょっくら早い時刻だぞ!?
 したらチェックイン時にペンションの奥様が困ったような顔で一言、「実はここ数日、急に涼しくなっちゃいましてねぇ、朝夕なんか寒いくらいなんですよ」…。

 その後も気温はどんどん下がる一方、お風呂入って夕食食べてる間さえ、半袖サマーニットとクロップドデニムじゃかなり厳しい。けれどそんときゃ管理人もまだまだ強気、「えーいこんなの予想範囲内でぃっ、予定どおりさっさと寝ちまえば問題ないわぁぁぁっ!」と例によってビールとワインしこたまかっくらってふかふかのベッドにもぐりこみ、確かに何の問題もなく一晩ぐっすり眠ることができたんスけど。

 一夜明けたら朝から雨が降ったりやんだり、おかげでもはや「涼しい」どころの気温じゃなくなってました…(号泣)。

 こんな天気じゃどこへ遊びに行く気にもなれないし、今年はこのまま東京へ帰ろうと決めたものの、「あ、でもお土産買いに清里へは寄りたいわ」という実母の希望にしたがってペンションから清里へ。しかし清里つーたらペンションよりもさらに山の上で標高が高くて当然気温も低いわけでっ! いざ駐車場に車停めて外に出てみれば、出発時よりもさらに寒い寒い寒い寒いざぶいぃぃぃ〜。
 そんでもいったんは実母にくっついてお土産屋さん巡りなんぞ始めたんですけどね、あまりの寒さに加えてまたまた降ってきた雨の冷たさに耐え切れず途中で駐車場に逆戻り、案内人を抱きしめて暖を取りつつ(<だっていくら何でも駐車中、エアコンのためだけにアイドリングするなんてやっぱ気が引けるしさ)ひたすら実母の買物が終わるのを待ち続けてた管理人、ったくこれじゃ一体何のために清里行ったんだか(<自嘲の笑)。ちなみにやがて実母が戻り、車を出してようやく使えるようになったエアコン、八王子を過ぎるあたりまでスイッチ切ることができませんでした…。

 ま、そんでも別に東京帰ってきてから風邪ひいたとか熱出したりとかなんてこともなく、管理人の健康優良中年っぷりは相変わらずですので皆様どうかご安心を♪ 何より今回は自分のミスが自分に跳ね返ってきただけ、他人(…じゃなくて他犬でしょっ! ったく、これだから物忘れが激ちい年寄りはっ!!<案内人)に迷惑かけずに済んだおかげで随分お気楽な旅でございました(でもやっぱ、一生に一度くらい人・犬揃って快適で何不自由ない旅行ってのもしてみてぇなぁ…<笑)。



追記

 ところで今年は旅先でも何不自由なく過ごせたはず…の案内人だったのですが、最後の最後になってとうとうヤツにも災難が降りかかりました。
 帰りの休憩で立ち寄ったS.A.で同じパピヨンの男の子、Kちゃんに遭遇(<またこの子がかなりのイケメンいやイケワン、御年三歳というから人間だったら二八歳前後の美青年盛りっ♪)、早速「こんにちは〜vv」と声をかければ喜んで寄ってきてくれて鼻と鼻とをくんくんくんくん、和やかに初対面のご挨拶。ところが続いてお尻にいった途端、Kちゃんが案内人から離れないっ! しまいにゃ横から顔突っ込んでおちんちんまでくんくんくん…さすがに辟易した案内人が逃げれば必死になって追いかけるKちゃん、毎度のことながらどーしてウチの案内人、こんなに男にばっかモテるんだか。
 ねぇKちゃん…おばちゃんね、別に人様いえいえお犬様の恋愛についてどうこう言うつもりはないんだけどね、貴犬が追いかけているウチのワン公は正真正銘オス犬の上にもう八歳、人間で言えば四八歳くらいの立派なオッサンなのよぉぉぉぉぉ…。
 いくら何でも二八歳の美青年が五十近いオッサンの尻を追いかけるなんて気が遠くなるような光景見せんでくれよ頼むから…ってわかっとんのか、お〜い…。
 しかしそんな管理人の魂の叫びなどKちゃんには聞こえるはずもなく、結局一緒にいる間中、案内人はKちゃんに追っかけられ続けたのでございました…。

 そんでも今回はマウンティングまで行かなかったんだから、まっ、いーか。これくらいオマエにとっちゃ日常茶飯事、災難のうちになんざ入らねーもんなぁ、ワン公!(<やたらと同性にモテ過ぎる飼い犬と暮らしているおかげで今やちっとやそっとのことでは動じなくなってきた飼い主)



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