2009.08.20.(木)      お誕生日とささやかな…

※せっかくのピュン誕日記だというのにUPが二日も遅れてしまいました。…すみません(土下座@管理人)。
 
 昨夜から本日未明にかけて管理人、某S様宅のピュン誕チャットにお邪魔して大変楽しいひと時を過ごしてまいりました。なのにそんな日に限って日々のヤボ用がいつまでも終わらず大遅刻、しかも今日は今日とて朝からちょっとした予定が入っていたため途中退場というご無礼のダブル攻撃なんぞをやらかしてしまい、今は正直穴があったら埋まりたい心境です(大汗)。こんなバカな年寄りを温かく迎えて下さった参加者の皆様方、本当にどうもありがとうございました(平伏っ)! そして我らが「水の覇者」ピュンマ様! お誕生日おめでとうございます!! 8月も後半になってようやく夏らしい太陽の光と青空が見られるようになった今日この頃(…って、もしかして関東地方だけ?<無知)、もしも今ギルモア邸にご滞在中でしたら残り少ない日本の夏を存分にお楽しみ下さいませねっ♪



 それにしてもこの夏の日本列島ときたらマジで散々だったよな〜。梅雨明け後もすっきりしない天気ばかりがぐずぐずだらだら続きやがって、真夏の太陽も青空も全国的にちっとも拝めず、挙句の果てには台風は来るわ地震は起こるわで各地に深刻な被害続出ってなぁ一体何なんだー!! 真面目な話、地域によっちゃいまだに復旧の目処がまるで立たない場所もあるらしい。とはいえこんな一介のオバサンに何ができるわけもなく、せめて被災者の皆様方が一日も早く元の平穏な生活を取り戻せますようお祈りするばかりでございます…。

 幸いにして管理人家族は人・犬揃ってみんな無事、おかげさまで十年一日のごとくなんの変わりばえもしない日々をのんべんだらりと過ごしている。しかし今日、そんな管理人宅にもほんの豆粒、いや米粒程度のごくささやかな変化が起こったのだった。…って、ただ単に案内人のドッグベッドを買い換えてやっただけなんですけんどもね。いえ、何せわんこにゃんこのベッドとゆーヤツは大抵布でできている上、わんこちゃんたちの多くは就寝前に必ず…っつーかおよそ七、八割の確率で己が寝床をしゃかしゃかしゃかしゃか掘りまくるという困った習性(<どうやら野生の頃、地面に穴掘って寝てた名残らしい)を持ってたりするため、どれほど頑丈なのを買ってやっても四、五年後にはかなりくたびれ果ててボロボロになっちゃうのよ。
 とはいえそこですぐさま新品に買い替え、「わーい、新しいベッドだぁ♪」なんて大喜びするのはあくまで人間サマの場合のみ、人とわんこの間には深くて暗い河がある。
 ぶっちゃけた話、わんこというのは過去に自分が見たことも嗅いだこともないモノあるいは動物(<含人間)、つまり初対面の事物に対しては生物・無生物の如何を問わず大なり小なり警戒心を抱いちゃうイキモノなのだ。特にウチの案内人ときたら、たとい手のひらに楽々収まっちまうよーな小さなおもちゃだろうと大人の親指大程度の犬用お菓子だろうと、初めての品物を目にした途端それはそれは勇猛果敢な攻撃を仕掛け、その闘いに勝利した(…と自分が確信できた)上でなけりゃ決して遊ばない、食わないという筋金入りであるからして、これがおもちゃやお菓子どころか自分の家財道具(?)の中ではケージに次ぐ大物、ドッグベッドだったりしたひにゃ果たしてどんだけ騒ぎ立てることやら。なので飼い主もこれまで、慣れぬ針仕事に精出して前のベッドの穴を繕ったりツギを当てたり、はたまた古いタオルをシーツ代わりに敷いてやってそれ以上の破損を防いだりと、できる限りの手を尽くして頑張ってきたものの、そんな応急処置もついに限界とてようやく心を決めたわけである。
 …でもって冒頭、チャットでのご無礼の原因となった「予定」を済ませた後某デパートに立ち寄り、できる限り以前のベッドと同じような形、そして大きさの品を選んで買ってきた管理人、念には念をとこれまで敷いてやっていたタオルもかぶせ、「ほ〜ら、新しいベッドだよ〜vv」とケージに入れてやったのだが。

 只今21:30現在になっても、ワン公のヤツベッドに入るそぶりを一度も見せてくれません。果たしてこれは暑さのせいか、それとも…?

 オイコラワン公! どーゆーつもりでいるのか知らんが、今日からのオマエの寝床はその新しいベッドだけなんだよっ! それが嫌ならあとはケージの床にじかに寝るしかねぇんだわかっとんのか!! …って、どれだけわかってんのかなぁコイツ(…と、結局またまた弱気になってしまう飼い主<ダメじゃん)。



 8/21追記
 一時はどうなることかと思いましたが、昨夜22:00過ぎ、案内人は無事新しいベッドにもぐりこんでそのまますやすやお寝みになってくれやがりました。どうやらウチのワン公、飼い主が心配するよりずっとずっと神経が図太かったようです…(ほっ<安堵のため息)。



2009.08.03.(月)      痛い話ですみません…(土下座っ)

 ※タイトルにもありますとおり、注意力散漫な管理人はまたまたいらん生傷を作ってしまいました…(涙)。それに関する記述は極力抑えたつもりですが、痛い話が苦手な皆様はどっちかっつーとご覧にならない方がよろしいんではないかと思われますので、該当する方がいらっしゃいましたら例によって例のごとくここで潔くブラウザを閉じて下さいますようお願い申し上げます。










 昨日、晩メシの支度をしているときにうっかり包丁で指を切ってしまった。それも結構ざっくり、ちょっと重傷かもレベル。…で、いつもなら○ロナイン軟膏しこたま塗ったくってバンソーコー貼るだけ、というズサン極まりない手当で済ませてしまう管理人も、さすがに今回ばかりは「もーちっと何かやっとかんとヤバいんじゃねぇか?」と不安になってしまったのだった。

 そこで一晩明けた今日、ふと思い出したのがガキの頃よく使ってた傷薬! 市販の目薬より一回りくらい大きい容器に入ってて、その腹をぺこぺこ押すと出てくる黄色い粉薬なんだけどさ、これをかけるとあ〜ら不思議、傷口の乾きがずっと早くなってあっと言う間にかさぶたになってしまうという…いや〜、切り傷擦り傷引っかき傷その他、ケガするたんびにホント重宝してたのよ、ソレ。
 だったら早速買ってくるべい、と自転車飛ばして薬局へ出かけた管理人、しかしいくら探しても懐かしいあの容器が見つからない。…つーか、「乾かして治す」タイプの傷薬自体はちゃんとあったんだけど、どれもこれもみんなスプレー式のヤツばっかでねェ…。とうとう思い切ってお店の人に訊いてみたところ、「あぁ、すみません…。容器を押して薬を出すタイプはもう製造打ち切りになってしまいまして、今置いてあるのはこのスプレー式だけなんですよ」という無情な返事がっ!

 …いやそりゃね、スプレー式だろうが手動式だろうが薬の効能そのものにゃ変わりないんだろーし、別にいいよ、いいですよ。だけどさぁ…。
 思うにこのスプレー式って、遊び盛りのお子様方が思いっきしすっ転んで派手に擦りむいたヒザ小僧なんぞには至極便利なんだろーけど、いー年こいたオバサンがうっかり包丁で切っちゃった指先にかけるにはちょいと…いやかなり不向きなんじゃなかろーか。だってアタシがやりたいのは一極集中ピンポイント攻撃であって、無差別絨毯爆撃なんかじゃないんだもぉぉぉんっ!!
 しかしそれしかないんじゃしょーがないってんで、店員さんに勧められるままスプレー式を買ってきた管理人、家に帰りつくと同時に早速封を開けてみましたさ。したら「ご使用の際には傷口から10センチほど離してスプレーして下さい」てな注意書にそこはかとない嫌な予感が胸をよぎり、最初の一発はごくごく軽く優しくスプレーしてみりゃ案の定噴出し口からやたらと拡散した薬がしゅうぅぅぅ〜…。うち無事傷口に命中したのはおよそ二割程度であろうか、そして残りは見事ムダに飛び散りやがってまぁ、あたり一面うっすらと黄色い粉が…あぁぁぁぁ…(涙)。

 そんでもって結局、件の薬と替えのバンソーコーを手にした管理人は玄関先に新聞紙広げて傷の手当を致しました。あ〜あ、昔の容器押して出すタイプのヤツだったら、大きい傷でも小さい傷でも力加減一つで自由自在、こんな手間ヒマかけんでも気楽に使えたのになぁ…と思うにつけても、かつての古きよきモノがまた一つ、この世から消えてしまったことが何とも淋しゅうございましたです…(ため息)。



 ですが皆様、今日一日何度も玄関先で(<よっぽど根に持ったらしい<笑)こまめに薬をつけたおかげで管理人の指は至極順調に回復しております。すでにもう、ヘタにいじくったり突っついたりしない限り傷口の痛みもほとんど感じなくなっておりますのでどうかご安心下さいませ♪
 ただ、それでも困ったことが一つ。実は上記の傷薬の他、水仕事やお風呂に入るときの用心にとビニール製指サックも買ってきたんですけどねぇ…。どーやら案内人がえらいことコレを気に入っちゃったらしくて、隙あらば飼い主からかっぱらってやろうと狩猟本能丸出しで狙ってやがるんですぅぅぅ〜っ! …ってオイコラワン公! コレはお前のおもちゃじゃないのっ! ママがお手々を「きゃいんきゃいん」しちゃったから買ってきた、大事な医療用品なのっ!! こんなモンで遊んで万が一飲み込んじゃったりしたらテメェの腹の方がよっぽど大変な「きゃいんきゃいん」になっちまうんだよわからんのかこのバカ犬ぅぅぅ〜っ!!(負傷中にもかかわらず指サックを守るため飼い犬とガチンコ勝負真っ只中の飼い主…って、それはそれであまりにも情けなさ過ぎるぞオイ>自分)



2009.07.14.(火)      ふんばりどころの六周年!!

 さ〜て皆様、本日七月十四日、弊サイトもいよいよ六周年を迎えることができました!! これもひとえに皆様方の応援の賜物と、管理人&案内人、心の底から感謝しておりますですぅ〜っ!!

 …と、本来ならば三日前、こうして盛大かつ賑やかに御礼申し上げるはずだったのに、すすすすすすす、すみませぇぇぇ〜んっ!! どうしたわけか今年は開設記念日前後に現実世界のヤボ用がえっらいこと立て込んでしまいまして、7/14分の日記をUPするのがすっかり遅くなってしまいました。年に一度の「お誕生日」だとゆーのにこの体たらく、まことにお詫びの言葉もありませんです…(土下座っ!)。

 そればかりか年々歳々更新速度は低下していくばかり、今年のSS更新つーたら一月のじじい話一本だけじゃないかぁぁぁっ! …先日「群雀」削除の記事を追加しようとして久々に「太陰」ページを開いた瞬間、マジ目の前が真っ暗になりましたよオバサンはっ。ああ、せっかく1000年に一度の009YEARだってのに一体何やってんだアタシ…(自業自得…てか、いくら更新ないからってたまにはチェックくらいしろよ>自分)。

 しかしながらこんな息も絶え絶え、はっきし言って瀕死の危篤状態も同然のサイトだというのにカウンターだけは日々細々ながらも確実に回っているのは全てお越し下さる皆様方のおかげ、そのお気持ちのありがたさが今年はひとしお身に沁みる管理人&案内人でございます。
 この六年間、様々な形でご贔屓下さいました皆様方、本当にどうもありがとうございました! そして願わくば今後も何卒よろしくお願い申し上げます!!(人・犬揃って深々と平伏っ)



 皆しゃま、いつもいつもボクを可愛がって下しゃってありがとうございますでち〜♪ 只今ウチのオバサンが申ち上げたとおり、最近イマイチ更新が滞ってて案内人と致ちまちても心苦ちい限りなんでちけど…(<としょんぼり尻尾を下げて「ゴメンナサイ」の上目遣い<笑)。でもボク、これからも皆しゃま方に楽ちんでいただけるようたくしゃんたくしゃん尻尾振って精一杯ご案内役を務めてまいりまちので、どうじょいつでも遊びに来てちょうだいでち〜vv(<平伏する飼い主を横目で睨みつつ自分はちゃっかり可愛さ全開でアピールする案内人)



2009.07.13.(月)      利害の一致

 本日、「群雀」コンテンツを削除致しました。利用していた無料レンタルチャットサービスがこの6/30付で打ち切りになったためです。せっかくチャットルームを常設したというのにろくろく活用もできませんでしたこと、そしてサービス停止以来10日以上もしかるべき対応をすることなく放置しておりましたことを心よりお詫び申し上げます。



 …とまぁ、前回の携帯電話に加えて今回のレンタルチャットサービスと、最近いろんなモノに振り回されて身も心も疲労困憊、正直ワケわかんなくなりかけている管理人なんですけんども。
 いつもならそんな飼い主の姿を冷たく見つめつつ陰でせせら笑っているはずの案内人もまた、ここ数ヶ月の間ちょっくら密やかかつ深刻なトラブルを抱えてたりしたのだった。

 ことの起こりは冬の終わり、まだまだ寒い二月あたりまで遡る。ある日珍しくも案内人がカーペットに粗相をした。しかしそんなモンの一つや二つで目くじら立ててちゃわんこにゃんこの飼い主なんぞ務まらない。よって管理人も別に騒ぐことなくタオルで水気を吸い取り、消臭・消毒剤を目一杯ぶっかければ幸い対処が早かったせいかシミ一つ残さずきれいになってくれてめでたしめでたし。(朝夕の冷え込みでおしっこが近くなっちゃったのかな〜。コイツもやっぱ、もうトシなのかもしれん…)なんてそこはかとない淋しさこそ感じたものの、別に何〜んにも気にしてなかったんだよね。ところがワン公、それからわずか一週間のうちに四、五回も粗相をしてくれやがり、さすがに無神経な飼い主も相当不安になってきたのである。それというのもウチの案内人ときたらトイレの躾をものの見事に失敗しちまったおかげで家の中ではまるっきし用が足せない、でもそのかわり粗相もほとんどしない(<してもせいぜい一年か二年に一度)ワン公だったはず、となるとこれはもはや寒さでもトシのせいでもなく、何かの病気なのではなかろうか。…ってんでいの一番に膀胱炎を疑った飼い主、慌ててワン公のおしっこ採取してかかりつけの獣医さんに尿検査をお願いしてみたその結果。

「う〜ん…膀胱炎の兆候はほとんど見られませんが、ちょっとストルバイトの結晶が出てますねぇ。今は単体結晶ですからどうということもないと思いますが、このまま放っておいたら尿管や膀胱に結石ができてしまう恐れがありますよ

 それを聞いた途端、瞬時にしてムンクの「叫び」と化してしまった管理人。だって尿管結石とか膀胱結石ときたらあーたっ!!
 これも今は昔の会社員時代、社内の課長やら係長やらの数人が立て続けに結石を作ってしまったことがあった。そしてまさしく「同病相憐れむ」の言葉どおり、部署の違いもへったくれもなく喫煙室やら休憩室、はたまた社員食堂でことあるごとに寄り集まり「とにかくアレは痛ってぇんだよなぁぁぁぁっ!!」「そーだよっ、もう泣きたくなるよっ!」「生まれてこの方あんな痛みは経験したことねぇぇぇっ!」とか何とか鼻息荒く語り合っていたのを、あたしゃ嫌と言うほど小耳にはさんでいたんだよっ。あーもうそんな、大の男でさえ泣きたくなるような痛みをいたいけなチビ犬に経験させるなんて、飼い主としては死んでもできるわけないじゃないかぁぁぁぁぁっ!
 しかしそこで再度響いた獣医さんのありがた〜いお言葉、曰く「これくらいなら尿中の結晶を溶かすフードで何とかなりますよ。生憎今は試供品しか置いてありませんが、とりあえずそちらを食べさせてみて下さい。もし効果があればあらためて取り寄せることもできますから」。しかもフードを用意して下さった奥様(<こちらの先生はご夫婦で病院を経営なさっています)までも、試供品ゆえフード代はタダ、その日の支払いは検査料だけでいいとおっしゃる。えーもう、あの時ばかりは獣医さんご夫妻が神様仏様に見えましたよ、いやホント…。

 かくてその日から早速ワン公に療養フードを食わせつつ、月に一回は尿検査とて「用足しくらいゆっくりさせろよオイ…」と言わんばかりの恨めしげな上目遣いで睨んでくるその尻を追いかけ回しておしっこ採取に精出した甲斐あって、先月見事に結晶は消滅、人・犬ともどもほっと胸をなでおろしたのであった。
 とはいえ「一度消えてもまたいつ結晶が出るかわかりませんからねぇ…できれば今後もこのフードを続けた方がいいと思いますよ」という獣医さんのアドバイスは至極ごもっともとて、その日もまた療養フードを出していただくことに相成ったんだけんども。
「いつもいつも試供品で申し訳ありません。ですがこちらは特別注文になりますので、今すぐ連絡しても品物が届くまでに一日二日かかっちゃうんですよ…。あ、でももちろん今回もフード分の代金は結構ですから」と、いかにも申し訳なさそうに奥様が用意して下さった試供品。…っていえいえ、こちらはそんなことちっとも気になんか致しませんともっ!! ですが奥様…? と管理人が目をむいたのは何と言ってもハンパじゃないその量! …コレ、どーみても市販のフード一袋分以上あるぞ。いつもいつもこんなにたくさん、タダで頂戴ばかりしていーんだろーか…ってんで恐る恐る「あの奥様、でしたら今日注文を出していただければ、届き次第また受け取りにまいりますけど…?」と申し出た刹那、何と次の瞬間管理人の手をしっかと握った奥様が「いえいえ、そちらさえよかったら是非こちらをっ!!」…って、あの〜…。
「ですがこう毎回毎回、タダでフードを頂戴してはかえって申し訳ありませんし…」
「いえ、こちらはいーんですっ! …というより、今ウチに来てる子の中でストルバイトの結晶が出てるのはパピちゃんだけなのっ! だからお願い、持ってってぇぇぇ…っ
 奥様のすがるような絶叫を耳にした刹那、管理人は全てを理解した。たとい療養食といえどもこのフード、効能が効能だけにそうそうどのわんこにも出せるシロモノではないのであろう。けれどフード会社としてはやっぱ消費期限の問題などもあって、どんどこどんどこ新しい品物を持ってくる、よって動物病院にはいつしか試供品がたまりまくり…よーするに先生も奥様もかなり持て余してたのね、コレ。もしかしたら今回案内人の尿検査で結晶が出ちゃったのは、お二人にとっても「渡りに舟」だったのかも。
 だったら素直にそのご好意に甘えても別にいーんじゃないだろか、と図々しくも山てこの療養食をタダでもらってきちゃった管理人。そしてワン公、現在もこのタダメシのおかげで結晶が再発することもなく、元気にご機嫌よく過ごしておりますです…。



2009.06.30.(火)      我泣き濡れて○○と戯る

 うわぁぁぁぁっ…!! ちょぉぉぉ〜っと油断してたらいつの間にやら六月も今日一日だけになっちゃったよオイオイオイっ! いやそりゃ最近このページってばはっきし言って「日記」とゆーより「月記」と化してるけどさ、いくら何でも更新が一か月にいっぺんつーのはかなり…ヤバくね?(>自分)

 しかしながらこんな自問自答以前に、そもそもどーしてここまで日記、いやサイトを放ったらかしてたかっちゅーと。
 諸悪の根源は全て管理人が今月初め、ほぼ五年ぶり携帯電話を買い換えたことにあるのだった…(遠い目)。

 正直な話、管理人はあまり携帯電話を使う方ではない。何てったっていー年こいて半分引きこもりのゴクツブシやってるんだもん、電話なら家の固定電話で充分用が足りるし、メールだって九割方はパソコン使って送受信してるしさ。大体こちとら今を遡ることン十年前、パソコンはおろかワープロすらもまだ存在していなかった高校時代、すでに英文タイプでブラインドタッチ完全マスターしちゃってた人間だったりするモンで、「あの」一本指でピコピコピコピコメール打つのがまどろっこしくてイライラしてくんのよ。ましてネットサーフィンなんざ、接続速度だって情報量だってパソコンの方が断然上じゃん。…なんてことほざいてるヤツが携帯持つなんてまさに宝の持ち腐れ、金のムダ以外の何物でもないんだけんども。
 ただ、そんなヤツでも唯一必要不可欠、大いに重宝しているのが携帯のGPS機能なのだった。何と言っても管理人は若い頃から自他共に認める方向オンチ(<それもかなりの重症ですでに危篤状態)、思い起こせばはるか昔の受験生時代、志望大学に願書取りに行ったはいいが最寄駅までの帰り道がわかんなくなって二時間半も迷子になるわ、社会人になりたての頃「初めてのおつかい」頼まれて日頃通勤に使ってる営団地下鉄(<現東京メトロ)じゃないJRで先方まで往復したらこれまた駅から会社に帰れなくなって半べそかいて課長に電話入れるわ(<さすがの課長もあんときゃ絶句しとったなー<笑)、自宅の引越しの際にはわりかし早く帰り道を覚えられたもののどうしてもそれを他人様に説明することができず、その後およそ一年もの間タクシー使って家に帰ることができなかったわ…こんな輝かしくも人知を超えたこっ恥ずかしい人生を送ってきた人間にとって、自分の現在位置及び周辺の地図まで携帯電話が表示してくれるとなりゃこれほどありがたいことはない。
 かくて「携帯電話なんざ必要最低限の通信機能とGPSがついてりゃそれだけで御の字、お釣りが来るわいっ!」という確固たる信念を持つに至った管理人、今どきdo○omoのGPSつきMOV○なんぞを五年間、後生大事に愛用してきたのだが。

 ここしばらく各携帯電話会社にどっぷんざっぱん暴風波浪警報状態で押し寄せている世代交代の波、もちろんdoco○oも例外ではなく、今後は自社の取扱機種を全てFO○Aに統一する腹積もりらしい。…でもってその企業方針を達成するための経営戦略かはたまたMO○A利用者への嫌がらせか、本年三月末をもって○OVAへのGPSサービスをあっさりきっぱり打ち切ってくれやがったのだった。しかも今年末だか今年度末だかにはM○VAそのものが利用不可能になってしまうとか何とかかんとか…。これには一瞬ボーゼンとした管理人だったが、ギョーカイ全てを呑み込まんとする時代の流れともなれば、一介の利用者がいかにじたばた騒ごうがどーなるモンでもない。だったらしゃーない、ここはいっちょ思い切って携帯買い換えるかね、と決心したのはいいけれど、ああいいけれど。
 いくらGPSがダメになっちゃったとはいえ、通話やメールする分にはまだ充分使えるのよ、アタシの携帯…。とか何とか、例によって例のごとく己れの魂の奥底に巣食う勿体ないお化けとの葛藤に悶々と悩み続けること二ヶ月、ようやくデカくて重い腰を上げて携帯ショップに足を踏み入れたのが六月初めだったってわけ。

 ところがどっこいぎっちょんちょん。…GPS機能って、どの機種にもついてるモンじゃなかったのね。あっいやもちろん、ついてる方が少数派ってわけじゃなくて、むしろ店頭に並んでいる新型モデルの半数以上はちゃんとGPS対応になっていたと思われる。ただそーゆーのってどれもこれも俗に言う「ハイスペック機種」てヤツでさぁぁぁぁっ! アタシの求める「必要最低限の通信機能とGPS」以外にも何じゃらかんじゃら、ワケわかんねー機能が山てこついてんの。でもってこんなムダな機能要らん! とばかりにシンプルかつ扱いも簡単な機種探せば探したで、そっちにゃ肝心のGPSが搭載されていなかった、と。
 かくて「あーもう店来る前にも散々悩んだってェのにどーしてここでまたしても悩まなきゃいけねぇんだよ責任者出て来いっ!!」…なんて絶叫しそうになるのを必死に堪え、土壇場でさらに逡巡すること三十分、ついに覚悟を決めて某ハイスペック機種を購入したときの管理人は精神的疲労のあまりおよそ五歳ほど老け込んじまった上、かなりの予算オーバーにすっかり軽くなってしまった財布を抱きしめ、ただただ深いため息をつくばかりだったのであった…。

 でもって、そんなこんなでようやく携帯電話を買い替えりゃ、今度はその使い方をマニュアル片手に一からお勉強。だってほら、いくら同じ会社の製品とはいえやっぱ使い勝手はそれぞれビミョーに違うしさ。しかもコイツはいー年こいたオバサンにゃ分不相応ともいうべきハイスペック機種、電話かけたりメール送ったりするだけの基本的操作だって自分一人じゃ到底手も足も出るモンじゃない。…あのさー、タッチパネルちゅーのはえらいこと便利なんだけどねっ、どーしてただ電話帳検索してるだけなのに好き勝手なところに発信しちゃうのぉ!? それにカメラっ!! あのね、オバサンただ待受画面に貼っつけるワン公の写真撮りたいだけなの…以前より段違いに高性能になったのはよぉぉぉお〜くわかったからっ、いちいち1.7〜1.8MBなんて超巨大ファイルで保存なんざせんでくれよ頼むからっ…。え? 何? タッチパネル使いこなすにゃとにかく慣れるしかない? うぉぉぉぉっ!! だったらとことん、ディスプレイ触って触って触りまくってやろうじゃんよっ! は? 撮影写真のサイズも何段階かに切り替えられる? …って、そんなの一体マニュアルのどこ見ればいいのぉぉぉっ!? …とまぁ一事が万事この調子、あーだこーだと大騒ぎしつつ携帯と戯れてる間に六月が丸ごと過ぎてしまったというワケでございます。…すみません(土下座っ)。

 けれどさすがは最新型のハイスペック機種とて電波状況が劇的に向上致しまして、電話・メールともにこれまでイマイチつながりにくかった場所からでも余裕で発信できるようになったし、おまけに電話の音声がえらいこと明瞭になってくれたのよぉ〜♪ と只今大満足の管理人。だけど何よりありがたかったのは今回の買い替えに伴い、十年前に決めたっきりの旧料金プランまで新料金に切り替えられたことで。お店のねいちゃんの話だとこれまでよりかなり基本料金がお安くなるとか何とかかんとか。おし! これなら予算オーバーで軽くなっちまった財布の中身もわりかし近いうちに取り戻せるんじゃなかろうか…てなわけでオバサンは只今、今月分の請求書が来るのをわくわくどきどきしながら心待ちにしてたりするのだった…。



2009.05.29.(金)      華麗な舞台の裏側で

 以前にもちらりと書いたとおり、管理人の実母は日舞なんぞをやっている(<08.04.01.付日記参照)。…でもって年に一度、流派の家元主宰のおさらい会にはここ数年欠かさず出演してきたのだが。
 残念ながらその家元が二年前にご逝去、今年はその三回忌追善ということで、例年にも増して盛大かつドッ派手な舞踊会が開催されることになったのだった 。どれくらい「盛大かつドッ派手」かとゆーと、いつもなら一日こっきりで終わるはずなのに今回は二日がかり、しかも場所が「あの」来年取り壊し&建て替えが予定されている某有名劇場だったってくらい(ですが決して自慢してるわけじゃなくて…いやむしろ、こんな大規模公演のおかげで現在の管理人はとんでもない状況に陥ってるんだよどーしてくれるんだっ!! …って、ことの詳細を知りたい方はどうぞこのまま続きをご覧になってやって下さい…<涙)。



 さてこーゆー舞台の場合、出演者自身も日舞を教えている「お師匠さん」であれば裏方仕事の一切はそのお弟子さんたちが手分けして引き受けてくれるのが普通である。しかしながら「お師匠さん」でも何でもないウチの実母にゃ「お弟子さん」なんざただの一人もいるわきゃないので、その手の雑用は全て身内、早い話が管理人とその叔母で片づけるより他どーしよーもないのだった。…とゆーわけで舞踊会一日目、甚だ場違いながら管理人も行ってきました某有名劇場!

 そしてこの裏方の雑用の中でも一番大変なのが「まきもの」づくりとその配布だったりする。「まきもの(<漢字不明。広辞苑ひいても出とらんかった)」というのは簡単に言うとその舞台でお世話になった方々への御礼、つまりご招待に応えておいで下さったお客様とか、地方さん(<唄・三味線の伴奏者)とか鳴物さん(<地方さんの中でも唄・三味線以外、太鼓・鉦・笛などの伴奏者を特にこう呼ぶことがある)とか顔師さん(舞台メイク、すなわち白塗りメイク担当者)とか衣装さんとかかつら屋さんとかに「お世話になります」との感謝の意を込めて差し上げる引き出物のことなんだけんども、これって大抵ちょっとした雑貨類(手拭い・タオル・ハンカチとか小物入れとか入浴剤とかお香とかポケットミラーとか千差万別)の詰め合わせになってるモンで注文するお店も全部別々、したがって当日はそれぞれの注文先から楽屋に届いた品物を速攻で紙袋その他に入れ直さなけりゃいかんのよ。これがまた、配る人数が人数だけにかなりの大仕事でねぇ…(ため息)。しかも出来上がったら出来上がったで今度はその紙袋を十数個単位で各スタッフに届けなくちゃならない。さらにそれが終われば今度は招待客の皆様。楽屋においでいただいてお渡しできれば一番手っ取り早いんだけど、中には「出番前にはいろいろお忙しいでしょうから」とご遠慮なさる方もかなりいらして…。ま、確かに出番前の楽屋は戦場だし、出演者本人もやれ顔塗りだ衣装つけだと部屋を空けることも多いから、そのお心配り自体は至極もっともかつありがたい。ただそうなると渡し損ねたまきもの全部を楽屋から客席に持ってって、直接配る以外どーしよーもなくなっちゃうからさぁ…。

 ちなみに昨日の管理人はスーツにハイヒールといういでたちで底面29×15、高さ28(単位:cm)の紙袋を左右の手に四個ずつ、合計八個持って楽屋から客席まで猛ダッシュかけました。そんでも今年は従妹(厳密には従弟の奥さん)のA子ちゃんが途中参戦してくれたおかげで二往復で済んだのはラッキー♪(それにしてもA子ちゃん、いきなり片手に五個ずつ、合計十個持ってダッシュしてくれたのはさすがだわぁ。う〜む、やっぱり若さの差だろうか…<ちょっと複雑)とはいえその次には出し物の間の休憩五分以内に、劇場中に点在する招待客の皆様方のお席にもれなくその紙袋を置いていくという離れ業をこなさにゃならず、もー全て終わった後には身も心もくたくたのへろへろ、ようやく出番となった実母の舞台観たって中身なんざ何一つ覚えちゃいないって有様ですわよおほほほほっ!!

 しかしこんなの、はっきし言って全然大したこっちゃない。それよりずっと問題なのは、この「まきもの」というヤツの中にかなりの確率でほんのおやつ程度のお菓子あるいは小さな折詰(<そしてこれまたかなりの高確率でその中身はお寿司<多分お酢使ってる分長持ちするからなんだろね)が入っていること、そしてスタッフやお客様ばかりでなく中の良い共演者の間でも実にしばしばやり取りされること(<この場合の意味はもちろん互いへの慰労及びお祝い)、その二点なのだった…(遠い目)。
 そもそもまきものの中に何がしかの食べ物を入れるのはひとえに公演時間が長いから。江戸時代、芝居(歌舞伎)を観るには丸一日かかるってんで途中お腹が空いたとき、幕間に食べたお弁当が「幕の内」と呼ばれるようになったというのはつとに有名な話だが、日舞の公演ってのも時と場合によっちゃ平気でそれくらいの時間がかかる。事実今回だって昼の部開始から夜の部終了まではおよそ十時間近くの長丁場、出番さえ終わればそれでお役御免となる出演者と違い、ずっと持ち場に詰めっきりのスタッフの皆様方にはメシ食うヒマだってろくろくないだろし、「せめてそんな時はこれでお腹を保たせて下さい」という心遣いは大いに助かるんじゃなかろうか。もちろんそれはお客様だって同じこと、一応昼夜入替制とはいえそのどっちかを最初から最後まで観るためにかかる時間は単純計算でおよそ五時間、飲まず食わずで我慢するのはあまりに辛過ぎるよね〜、ということで以下同文。加えて出演者同士でやりとりする分だって、先に述べたような「お師匠さんのお手伝いをしに来たお弟子さん」たちのために立派に役立っているのかもしれない。

 ただ…ただねっ! ウチの実母みたいにお弟子さんが全然いなくて、その上いー年こいた行かず後家の娘と二人暮しとゆー出演者の場合ねっ!!!

 …実母の出番が終わった後、管理人は持てるだけの荷物(主として仲良しの出演者の方々からいただいた総勢二十人分近くのまきもの<さすが盛大かつドッ派手だけあって例年の三割増<当社比)とともに一足先に家に帰りました。でもって昼過ぎからずっと留守番させてた案内人の散歩やら持って帰った荷物の整理を終えて、ついでにざっとフロに入った後の夜十時近く、ようやく晩メシにありつけたものの…。

 そのとき管理人の目の前に並んでいたのはまきものの中に入ってたお寿司の折詰七個、それも揃って賞味期限どころか消費期限がその日の午前零時!!  いえそりゃね、どれもこれも普通のお弁当に比べれば半分あるいは三分の二くらいのささやかなものでしたが、それでも七個いっぺんにたいらげるなんていかにケダモノ並の管理人とてできるモンじゃなく―。

 結局次の日(…って、早い話が今日なんだけどさ)管理人は朝昼晩消費期限切れの寿司食って過ごしました。そして公演二日目とてまたしても「来年取り壊し&建て替えが予定されている某有名劇場」に出かけていった実母が言い残してった台詞は「今日もどんだけまきものがくるかわかんないわよ」、この一言 。ああ、いつもなら一日だけで終わるのに、今年は二日続けてあの折詰の山がやってくるのか…(涙@かろきめまい)。

 ま、そんでも次の日曜くらいまで食い続ければ、全部無駄なく片づけることができるかもしれんのう…(しみじみとうつろな遠い目)。



 5/30追記
 ありがたいことに、昨日実母が持って帰ってきたまきものには食べ物は一切入っていませんでした。一日目のお寿司も今日の昼までかかって何とか完食、おかげさ まで今夜はおよそ二日ぶりにお寿司以外の食べ物を口にできそうです…(感涙っ)。



2009.05.16.(土)      お誕生日と「あとは勇気だけだ!!」

 楽しかったゴールデンウィークもあっと言う間に過ぎ去って早一週間、ですが我々ゼロナイファンにはもう一つ、忘れちゃならない大事なお楽しみが待ってるってモンでございます♪

 ジョーく〜ん、お誕生日おめでとう!! 日本全国津々浦々、いえいえ世界中のゼロナイファンの皆様方とともに心の底からお祝い申し上げます!!!

 やっぱこの日はギルモア邸、目一杯明るくハイに盛り上がるんだろうな〜。これがついこの間のグレート氏のお誕生日だったりしたらさ、お祝いパーティーがいかにめでたいドンチャン騒ぎになろうとも、深夜に近い頃ともなれば、はしゃぎ疲れてマグロのごとく酔いつぶれた若者たちに苦笑しつつ、主役のグレート氏を始めギルモア博士や張大人やアルベルト様がしんみりゆったりブランデーを酌み交わす図なんてのをついつい想像しちゃうんだけど。なんか主役がジョーくんだとむしろ若者組に目一杯スイッチ入っちゃって、大人たちの方がつき合いきれずに先に休んじゃうような気が…でもってその後はますますタガが外れたガキんちょ軍団(特にジェットくんあたり?<笑)が一気にご乱心モードに突入、「あ〜んなことvv」から「こ〜んなことvv」まで何でもありの狂乱の一夜が幕を開け…なんて妄想してしまうイケナイ大人は管理人だけかしらん♪ 何はともあれ今宵は皆様それぞれに、うんと楽しんでいただきたいものでありますvv



 さて、残念ながら今日の東京は朝から曇り空でちょっぴり肌寒い陽気になっちゃったけど、ここ最近本当に過ごしやすい季節になってきましたよね。陽射しこそ結構キツくなってきたものの、湿度が低いせいか暑さもあまり感じないし。おかげさまで管理人はもちろんのこと、年がら年中「超高級毛皮」を着込んでいる案内人もすこぶる元気、まさに言うことなしの気候ですわ♪
 けれどこの爽やかで気持ちのよい季節が訪れるたび、管理人はとある重大問題に直面しちゃったりなんかして。毎年毎年散々悩んで、ノイローゼ一歩手前になるあたりでようやく下す苦渋の決断、それすなわちっ!! …シクラメンの夏越し方法。

 あっ、そこのあなた、今笑ったでしょ? 「や〜ねぇ、いー年こいたバカがまたくっだらないことで悩んでぇ〜」なんて思いっきし嘲笑ったでしょ?(いやそりゃ完全にお前の被害妄想だ>自分) でもねでもねっ! この件にかけちゃアタシ、これまでおよそ二十年にも及ぶ紆余曲折と試行錯誤、加えて人の世の無常への涙まで取り混ぜた苦難の道を歩んできたわけでねっ!!!(ママっ! また何興奮ちてんの! いー加減に落ち着きなちゃいっ!!<取り乱した飼い主にすかさず教育的指導を一発見舞う通りすがりの案内人)

 …えー、つまりですね。そもそもの発端というのはオバサンがまだ大学生だった頃のクリスマスに実母がシクラメンの鉢植えを買ってきたことでございましてね…(<飼い犬に頚動脈かじられてようやく正気を取り戻した飼い主@流血<笑)。
 何でも花屋さんの前を通りかかった途端一目惚れしてフンパツしたというその鉢植えはそりゃぁ見事で、冬の間ばかりか春の終わりになる頃まで次々と花を咲かせ、管理人家族を楽しませてくれたのだった。しかしながらやがて花が終わってしまったその後は、残った葉っぱも見る見るうちに枯れていくばかり。…だがそれもある意味仕方のないことで。
 元来このシクラメンというヤツ、球根植物だけあって決して一年草ではないものの、高温多湿にことのほか弱くて湿度の高い日本の夏を越させるのはかなり大変なんだそうな。しかしもし無事夏越しに成功すれば、翌年もまたちゃんと花をつけてくれるらしい。となりゃぁここは一発、試しにやってみよーかね、と軽〜い気持ちで夏越しに挑戦した、今にして思えばそれこそが管理人の天路歴程の始まりだったのであった…(遠い目)。

 シクラメンの夏越し方法には二通りある。一つは花が終わった後も水遣りを続けて次の冬まで保たせるウェット法、そしてもう一つは花が終わったら水遣りを一切控え、葉っぱも何も全部枯らして球根を休眠させるドライ法。ちなみに初心者にはドライ法のが簡単だというので、早速やってみましたさ。水遣りやめて葉っぱ枯らして、球根だけになったら風通しがよく雨がかからない戸外の日陰に…って、「風通しがよく雨がかからない戸外の日陰」? ちょっと待てぃっ! ウチにゃそんな場所、どこ探したってねーぞコラ!!
 …というのも当時管理人が住んでた家ってば、かなり築年数がたってたせいかそれとも単に設計上の問題か、俗に言う「軒先」の幅がえれーこと狭くてさぁ、風通しと日陰はともかく、家の外のどこに置いても100%の確率で雨水かかり放題間違いなしとゆー、シクラメンの夏越しにはこれ以上ないってくらい最悪の環境だったのね。でもってこりゃ仕方ないと家の中、一番涼しい玄関の端っこに置いといたんだけど、そこはそこでやっぱ風通しが悪かったらしくて結果一年目は見事に失敗。そればかりか二年目、三年目も失敗続きで、とうとうさすがの管理人も「やっぱウチでシクラメンの夏越しさせるなんてこた無理だったか」と諦めたのだが。

 それから数年後の夏、思いがけなく引越しなんぞすることになった管理人。しかも今度の新しい家ときたら軒先の幅がかなり広い上、玄関が外壁から少々凹んだ形になっていたため二階部分が屋根代わりとなって玄関先一帯、ちっとやそっとの雨なら充分しのげる構造になっていたのだった…! そこで再び燃え上がったシクラメンの夏越し熱、こ〜れは期待できますよ、これはっ! …とばかりにその年の冬がくるのを指折り数えて心待ちにしていたのだが。  いかに新しい家に移ったとはいえやっぱり蒸し暑いぞ、日本の夏。おまけにいくら雨がかからない玄関先とはいえ、台風だの土砂降りの夕立だのの後にはやっぱそれなりに満遍なく濡れちゃったりなんかしてるしな〜。いくら何でもずっと外ってぇのはちょっくら無理があるんじゃなかろうか…なんてついつい、余計な気を回しちゃいましてねぇ…。
 その年の冬、やる気満々で手に入れた新しいシクラメンの花が咲き終わったと同時に迷うことなく外に出した、それはいい。しかし夏の台風や夕立への不安はどーしても払拭できず、結局真夏の到来とともに再び屋内に引っ込めてエアコンの風がガンガン当たって涼しい茶の間の特等席に…置いたらまたしても夏越し失敗、そして再び虚しい数年間、いや十年近くが過ぎ去っていったのだが。

 三年前、転機は突然やってきた。いえね、その前年の冬に買ってきたもう何十鉢めかのシクラメン、そいつがまぁいつまでたっても延々と花を咲かせ続けやがりまして…そりゃぁ最後の方はいかにもみすぼらしくてみみっちいチンケな花になっちゃったんだけどさ、そんでも一応花が咲いてる以上、水遣りやめてミイラにしちゃうってのも何だか気の毒な気がするじゃございやせんか。…で、その年に限ってまだまだ花も葉っぱもついてる状態の鉢を管理人が戸外へ出した途端、絶妙のタイミングでやってきてくれたのが長年お世話になってる植木屋のKさん!!! もっともそのお仕事はあくまで庭木の手入れ、玄関先の隅っこに半ば忘れ去られたように置かれてる、もういー加減くたびれ果てたシクラメンなんざ完全「アウトオブ眼中」に違いなかっただろうけど。
 三時のおやつの休憩時間、コーヒーとお茶菓子を出しつつちょいと口を滑らせてしまった管理人の愚痴に、Kさんの「さすがプロ!!」ならではのアドバイスがびしりと飛んだのであった。曰く、「あーりーみんさん、そりゃダメだよぉ〜。あのさ、確かにシクラメンってヤツは高温多湿嫌うんだけどね、毎日がんがんエアコン効かせた部屋の中じゃかえって乾きすぎちゃうんだ。どんなに暑くても、『ダメモト』だと思って今年はずっと外に出しっぱなしにしてみな。少なくともその方がずっと、夏越しの成功率は上がると思うよ〜」…で、そのお言葉に従いその夏はずっと外に…ついでにそのまま惰性でずるずる水遣りも続けた結果、苦節二十年ついに夏越し成功、その年の冬にはあのくたびれたシクラメンが再び見事に花開いてくれたのでした…(感涙っ)! あーこれも全てはKさんのおかげ、いやそれ以前にドライ法の方が簡単だなんて誰が言ったんだよ責任者出て来いっ!!(<いやでもそれは管理人所有の園芸参考書にちゃんと書いてあったんだからっ!)
 ちなみに同じ年の暮れ、新年の準備とて再び来てくれたKさんにその旨報告したらそりゃもう喜んで下さって、「来年も頑張れ!」ってありがたいお言葉まで頂戴したんですけれど。



 …次の年、またしても夏越しに成功したシクラメン、けれどもう二度とKさんにその姿を見せることはできませんでした。
 ガンだったそうです。それでも最後の最後まで管理人宅の庭木の手入れに来て下さった帰り際、涙ながらに病気のことを打ち明けてくれたKさんは以後一度も我が家を訪れることなく、昨年のちょうど今頃、まだ五十代の若さで天に還って行かれました…。



 以来ウチの庭木の手入れはKさんの後輩、Oさんが責任持って引き継いで下さったんだけんども、お互い顔を合わせりゃいまだについつい口に出てしまうKさんの思い出。でもってこの前もOさん、ウチに来てくれてね…たまたまそのとき外に出してたシクラメンを指し示した管理人が「実はこれ、Kさんがね…」って、しみじみ夏越しの経緯を話したらしばし黙ってじっとその鉢植えを見つめていらっしゃいました。そして、心なしかほんのり涙を浮かべているかのようなその眼差しに、管理人も感極まって涙がにじんできた、まさにそのとき。
「そっか…こいつらもよく頑張ってきたんだなぁ…。でもねりーみんさん、暑い季節にずっと葉っぱ茂らせっぱなしってぇのもシクラメンにゃかなりの負担になるんですよ。だからねぇ…できれば夏の間はやっぱゆっくり休ませてやった方がいいと思うんだけどなぁ…
 ええぇぇぇっ!? Oさん、それって今年の夏はドライ法で夏越しさせろってことぉぉぉぉぉっ!? あのアタシ、これまでの二十年間、ドライ法での夏越しに成功したことってば一度もないんですけどぉぉぉぉぉっ!?

 …しかしこれもやはり立派な「園芸のプロ」のアドバイス、それに管理人の方も正直そろそろウェット法に限界を感じてた頃だったりして。いえね、ウェット法で夏越しさせる場合、花が終わって外に出す際に一回り大きな鉢に「土ごと」植え替えてやらにゃいかんのよ。よって毎年巨大化していく鉢、だけど三年目ともなりゃもーダメ、これ以上デカくなられたひにゃアタシ、一人で鉢持ち上げるなんてこと絶対できないぃぃぃぃっ!! だけどドライ法なら秋、古い土や枯れてしまった根っこを全部落として植え替えてやりゃいーんだから、もしかしてこのままの鉢でも何とかなるかも…って、「決心」だけは何となく固まりかけてるんですけどねェ。「あとは勇気だけだっ!!」…というわけで管理人、只今背中を押してくれる人大絶賛募集中(ため息)。



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